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強度を測る手法

建造物・構造物・機械がある限り必ず出てくる強度の問題。

作業員

世界遺産といえば、まず思い浮かぶのが、ピラミッドや世界最古の現存する木造建築である法隆寺。 なぜ、そのような歴史的建造物が今なお姿を止めているか。それは、過酷な環境や経年劣化に耐える強度があったからに他なりません。 すなわち、文明を象徴する建造物・構造物・機械がある限り、私達は常に『強度』という問題に直面するのです。 『強度』と向き合う人類の歴史は古く、有史以来経験的に把握されていた強度に対して、定量化を行うことによって、より正確で科学的的に把握しようと試みたのは、かのレオナルド・ダヴィンチです。ただし、これは個人的なノートの記載が残っているだけで、一般に書物として公開されるのは、1638年に出版されたガリレオ・ガリレイの『進化学対話』を待たなければなりません。 18世紀に入ると引っ張り試験や曲げ試験などさまざまな強度試験の方法が確立し、ステファン・ティモシャンコの確立した材料力学の考え方とともに建築分野や機械設計分野の強度に対する考え方が進化していきました。そこで重要なのが、靭性実験に用いられる試験片、すなわちテストピースなのです。

生活の安心安全のために、そして、防災、減災のために

例えば、シャルピー衝撃試験という方法があります。これは切り欠きのはいった角柱状のテストピースに光速の衝突で衝撃を与え、テストピースを破壊し、破壊するのに要したエネルギーと試験片の強靭性を評価するというものです。 試験片の破壊に要したエネルギーをシャルピー衝撃値といい、靭性を表す単位として広く用いられています。 靭性が要求されるテストピースは、鉄系、SUS,アルミ、銅、マグネシウム合金、非鉄系、樹脂、ガラス板、ゴム、コンクリート等の建築資材、材木、遷移系など広範囲に亘ります。 代表的な例でいえば、建築物は、安心に暮らすためには、生活における重量、衝撃、風化等による経年劣化、が要求されますが、一方では台風や地震といった、災害に対する強度も要求されます。 それが、人命にかかわる安全性に繋がるわけですから、その重要性は増すばかりです。 それから、急速な科学の進歩による、新たな素材の開発。さまざまな素材を組み合わせた複合集成材も増加しています。 こういった現状からみて、将来的にテストピースによる、強度試験の需要はますます増加し、かつ高精度な測定の要求はますます増していくものと思われます。